そしてグローバル化の名の下に、「不労所得者国家」と化した欧米列強によって、グローバルな労働者階級に対する新たな搾取が行われているのです。
世界全体と西欧の間、西欧とそれ以外の国々との間には、19世紀のヨーロッパと同じような対立が生じています。
19世紀、ブルジョワジー(上流階級や中流階級)と、労働者階級の間には対立がありました。なぜなら、そこには搾取のメカニズムがもともと内在しているからです。
だから、新たな搾取を行う西洋に対して、それ以外の国が敵対心を抱くのは、当たり前のことなんです。
もちろん、西洋が生み出しているイデオロギー、極端なフェミニズム、道徳的なリベラリズムの強要などは、西洋以外のより保守的な国の多くを不快にさせています。
そして、もはや共産主義国ではないロシアは、近寄りやすい国になりました。かつての共産主義は、イスラム教徒や信仰心の厚い国々にとって恐ろしい存在でした。
しかし今の世界各国からすれば、プーチンのモラルの面における保守主義は、「ゲイの問題こそが組織や社会の最重要問題である」と強いる西欧の新たな傾向や、トランスジェンダーの問題に対する西洋の固執よりも、はるかに身近に感じられるのです。