KDDIがリアルの実店舗の世界に入っていく意義は大きいという

 KDDIは2020年にauのポイントプログラムをPontaに統合。携帯料金などの還元はPontaで行うようになった。さらにスマホ決済の「au PAY」をはじめ、インターネット銀行「auじぶん銀行」やネット証券「auカブコム証券」などをグループに持ち、〝経済圏〟づくりを強めている。23年8月には金融サービスを利用するとスマホの料金が安くなったり特典が上乗せされたりする「auマネ活プラン」を発表した。

 これに対し、NTTドコモが24年1月にネット証券のマネックス証券を連結子会社化するなど、ソフトバンク楽天も含めたライバル会社としのぎを削る。

タテ・ヨコの展開

 前出の菊地さんは、これからは携帯会社以外も含めた経済圏づくりの競争がより激しくなるかもしれないと指摘する。

「携帯各社はこのまま自社のサービス拡張に突き進んでいくと思いますが、KDDIとローソンの協業が、それ以外のポイント経済圏にどう影響するかに注目しています。昨年のカルチュア・コンビニエンスの『Tポイント』と三井住友フィナンシャルグループの『Vポイント』の統合発表はインパクトがありましたが、流通系の『nanaco(ナナコ)』や『WAON(ワオン)』、さらに鉄道系の『JREポイント』などがこれからどんな手を打ってくるか。ポイント間、さらには異業種間で相い入り乱れた、タテ・ヨコの展開が活発になるかもしれません」

 特に鉄道系のポイントサービスは現時点ではまだ業種を超えた本格的な連携・協業が進んでいないため、今後の競争の核になりそうだという。

 ポイントサービス間の競争が進めば消費者の恩恵は大きい。競争を通じて、利用者を獲得したり優遇したりするためのサービスや仕組みが増えることが期待できるためだ。どの経済圏に乗ればお得なのか。消費者にとっては悩ましいところだ。

(AERA dot.編集部・池田正史)

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