AERA 2024年2月12日号

「自分の父親がそうだったように、私も瞬間湯沸かし器みたいになることがあるんです。最初は見守りますが、注意しないと子どもは調子に乗るのでこっちも感情的になってしまう。冷静になると感情をぶつけるのはよくなかったと後悔します。直せるものならすぐにでも直したい」

『コーチングで学ぶ「言葉かけ」練習帳』(ほんの森出版)の著者、石川尚子さんは、「怒る」と「叱る」を区別する。怒るは感情的な物言いで伝えることで、叱るは相手が自発的に考えるよう理性的に伝えることだという。怒って伝えるのではなく、「I(私)」を主語にしたIメッセージで伝えるよう意識することが大切だと言う。

「小中学生に反抗的な言葉を言われた場合でも、『あなたはそう思うんだね。でも私はそんな風に言われたら悲しいな』といったんは子どもの言い分を受容し、『私はこう思うんだけど、〇〇はどう思う?』と問いかけます。こうした関わり方を続けていくと、その時は響いていないように見えても、子ども本人があとから『あの時言い過ぎたかな』と自分で振り返るようになります。反抗期にさしかかった子どもでも、冷静に伝える方が長引きません」(石川さん)

(ライター・大楽眞衣子、フリーランス記者・宮本さおり)

AERA 2024年2月12日号より抜粋

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