宮内庁書陵部所蔵の古典籍である「むし双六の和歌」を鑑賞する閲覧する愛子さま。指先まで神経が行き届いた姿=2023年12月、宮内庁書陵部庁舎、宮内庁提供

 現在の皇室典範のもと、次世代の皇位を継ぐことが確定しているのは、皇嗣家の長男、悠仁さまだ。

 この人物は、以前の有識者会議での様子を、こう振り返る。

愛子さまが皇位を継承するという意味ではなく、令和が続く限り両陛下を支えてゆかれるであろうこと。そして次の天皇の代になっても内親王として活動できる環境を整えることが先決の課題であると、お話をしました」

 しかし、女性天皇や女系天皇につながる議論は避けたい、という空気が色濃く、このヒアリングメンバーの説明がまともに受け止められることはなかったという。
 

栃木県の御料牧場に到着し、県知事や関係者の出迎えに頭を下げてあいさつをする雅子さまと愛子さま=2023年4月、栃木県(代表撮影/JMPA)

摂政という道

 所功・京都産業大学名誉教授も、この有識者会議で意見を述べたヒアリングメンバーのひとりだ。

 所さんは、現行の皇室典範と特別法で皇嗣となった秋篠宮さまと長男である悠仁さまの継承が揺らぐことはなく、これから、愛子さまへの期待がどれほど高まっても皇位を継承する可能性もほとんどないと見る。そのうえで、愛子さまに大きな期待を寄せている。

結婚後も皇室に残る案については、夫や子どもの身分をどうするのかなど課題も多く、実現は簡単ではないかもしれない。しかし、皇室に生まれた方は男女を問わず、天皇を助けるという格別な「公人」です。天皇に万一のことが起こったときには、摂政の役割を担う任務もあるのです」

 皇室典範の16条には、「天皇が成年に達しないとき」「国事行為をみずからすることができないとき」は摂政を置くと定められている。

 そして17条は摂政に就く順序として、成年に達した①皇太子(皇太孫)②親王・王③皇后④皇太后⑤太皇太后⑥内親王・女王と定めている。つまり、内親王である愛子さまも、万が一の場面で摂政への就任もありうる。
 

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