1位が石破氏なのは驚きではないが、33.0%もの高率だった。実に、3分の1が石破氏を次期首相にと期待している。
2位は高市氏で14.7%、3位が岸田首相で12.2%、4位が上川陽子外相で9.6%、5位が小泉氏で8.6%、6位が林芳正官房長官で8.1%、7位が河野氏で7.1%、8位が茂木敏充党幹事長で6.6%だった。
一般の世論調査でも石破氏は1位になっているが、数字は多くの場合、10%台後半が多い。自民党内では石破支持は低いが、野党支持者の多くが石破氏を支持しているから1位になるのだと解説されているが、この調査では、自民党員だけの中で支持率が33%という非常に高い数字になっている。
これはどういうことなのか。
自民党は安倍晋三政権誕生以降、急速に右傾化したと見られていたが、旧統一教会の問題や今回の裏金問題で安倍派が信頼を失う中で、これまでの路線への懐疑的な見方が広がっている可能性がある。
そうした党員の一部で反安倍を貫いた石破氏に支持が流れているのかもしれない。
一方で、高市氏の支持率が一般の世論調査に比べて非常に高いのは、安倍派の事実上の崩壊を受けて、同派に見切りをつけた岩盤右翼層を含むタカ派の党員が高市支持に回ったとみるのが順当だろう。
こうしたことを意識しているのか、高市氏は、これまで維新に流れていた保守層を自分のところに惹きつける作戦にもぬかりがない。1月下旬、突然大阪・関西万博の延期を岸田氏に進言したことを表明したのも、明らかに維新叩きの狙いが見て取れる。
また、同じ女性候補であるが、従来の世論調査ではほとんど名前が上がらなかった4位の上川氏は、これまでほとんど無名であったことが逆に新鮮なイメージにつながっているようだ。また、英語が堪能でこれまで例の少ない女性外相に就いた意外性もあって支持を集めている。一気に小泉、河野を抜いて、4位へ急上昇した勢いを見ると、大化けする可能性もある。(この調査は、麻生太郎元首相が上川氏の容姿を揶揄しながらその能力を高く評価する発言をして世間の注目を集める前に行われています)