メディアが、高市、上川両氏を取り上げて、「女の闘い」などと面白おかしく取り上げる可能性もあり、そうなると注目度はさらに上がるだろう。
この2人の間で、岸田氏が3位に入っているが、現職首相でありながら、自民党員の8人に1人しか次も首相になってほしいと思っていないというのだから、その不人気ぶりは際立っている。現在の内閣支持率も自民党員の中でさえ34.6%と十分に低いが、再選を望む人はさらにその3分の1でしかないということを示している。
一方、小泉氏と河野氏は、自民党員の間では人気が伸び悩んでいる。2人とも脱原発派で、リベラルなイメージが強かったが、そうした傾向を持つ自民党員は、石破支持に回っているように見える。
石破氏は、憲法改正派であり、防衛力強化も支持している。脱原発というわけでもないので、野党支持層までもが惹きつけられるのは理解できないと感じる人も多いだろう。しかし、何よりも人柄で信頼を築き、不遇を覚悟で信念を貫いた政治姿勢も支持され、安倍派をはじめとする金権・強権政治への対抗軸として人気が高い。それによって、小泉氏や河野氏を支持してきたリベラル層ないしハト派にも食い込んだのではないか。
また、河野氏については、リベラル層が支持しているというのは過去の話となり、どちらかというと、同氏の言動がタカ派に受けているという傾向が、石破氏に支持層を奪われることにつながっているように思える。
林氏が河野氏を上回ったり、一般の世論調査では非常に低い数字しか出ない茂木氏も河野氏に迫る数字を出したりしているのが驚きだったが、それは、単なる自民党支持層ではなく自民党員対象の調査であることが影響しているのだと思われる。
自民党員には、頻繁にメールで自民党関連のニュースが送られてくるので、彼らは、林氏が官房長官として、あるいは、茂木氏が幹事長として、また上川氏が外相として、それぞれ「活躍」していることを一般国民はもとより単なる自民党支持者よりも遥かによく知っている。つまり、自民党政治に関するリテラシーはかなり高いことが影響しているのだと思われる。