――高層ビルの火災に巻き込まれるシーンでは、自分の命を捨ててもおなかの子どもを助けて逃げてくれと喜多見に懇願する場面が。もし同じ状況に直面したら、仲さんならどうしますか?
それは、やっぱり私も、子どもをとにかく先に連れて逃げてほしい、と言うでしょうね。実は、自分の命より子どもの命を優先したいという気持ちって、実際に親になるまでは正直よくわからなかったんですよ。
だけど、実際に子どもを産んでみたら、「絶対に子どもの命を守りたいよね」という気持ちが、わかるようになりました。多分、親になると体にインプットされる本能のようなものなんでしょうね。
仕事とプライベートの切り替えは1秒! 全部楽しんでやるのがコツ
――今回の映画のように深刻なシーンが続く作品だと、家に戻っても感情が引きずられたりしませんか?
それは全然ないんですよ。むしろ「今回役に入り込んで、なかなか役が抜けなくて困りました」なんて言ってみたい。かっこいいじゃないですか!
でも実際の私はどんなに号泣シーンを撮影していても、「カット!」の声がかかった1秒後には、ケロッと仲里依紗に戻ります。モニターチェックをすると自分で自分が怖くなるくらい。
――鑑賞している側からすると、役に入り込んで涙を流していらっしゃるようで、こちらも感情移入してしまいますが。
ありがとうございます。でも、実は涙を流す最大の秘訣は「事前に水をたくさん飲むこと」なんですよ。乾燥していると涙は出ない。私の場合、潤すことも大事で、やってみてください(笑)。
私にとっては台本に書かれていることが全て。台本を読んで、監督の求めるものをできるだけその通りに演じる。それだけなんです。
例えれば、オーダーが入ったハンバーガーを、“ピクルス抜き”“オニオン抜き”“全部のせ”と言われた通りに、「はい、わかりました!」とおいしく作る。――そんな感じです。
――切り替えができているからこそ、数々の作品に出られて多忙な毎日でも、ご活躍できるのかもしれませんね。