占い師、作家 しいたけ.
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 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

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Q:父、祖母、叔母を続けて亡くしました。特に叔母とは毎日メールしており、亡くなったのを見つけたのも私で、まだ時々泣いてしまいます。うつの治療をしていて、仕事も休職したりしながら何とか続けている状態。母も難病で施設で暮らしています。叔母の家の片付けを終えたのですが、実家の片付けに取りかかる気力がわきません。心機一転、引っ越しでもしたらやる気も出るでしょうか。(女性/公務員/46歳/やぎ座)

A:いただいたご相談はメール経由でしたが、何度も読み返したくなるお手紙のような空気感を僕は感じました。

 不思議なことに、手紙って節目ごとに取り出して眺めたくなるような感覚がありますよね。その手紙の空気感をもう一回自分の中に取り入れるというのかな。なぜか好感を持ってしまう文章でした。

 ご相談の内容に対してですが、時間が許す限りはまだ片付けなくていいんじゃないかな、というのが僕の回答です。

 片付けをすることは、過去を整理すること。捨てていい過去と捨てちゃいけない過去の分別がついて、自分が未来に進める状態になって、やっとできることだと思うんです。まだ自分の中で整理がついていない状態の時は、無理に片付けをしないほうがいい。片付けられないいろいろなものの中には、当時の思い出や雰囲気が残っています。

 自分の肉親や親族、そういう人たちが亡くなってしまって、家を処分しなければいけないとなったら、僕だったらどうするか。自分の身に置き換えて考えてみました。きっと僕なら、しばらく片付けないで、たびたびルームツアーをすると思います。

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