段田:ないんですよ。つまんない人生なんです(笑)。あえて趣味といえば、阪神タイガースの試合を録画して見るぐらいですかね。それも最近は変な阪神ファンでして、「負けやがれ」と思いながら全試合見てます(笑)。
林:フフフ。ちょっとひねくれた阪神ファンなんですね。
段田:昔、電車で移動してたころは必ず文庫本を読んでましたが、自分で車を運転してると、なかなか本を読まなくなりまして。もう20年ぐらい、ろくに本を読んでないのでいかんなと思って、去年ぐらいから急に本を読むようになりました。
林:まあ! 素晴らしいです。どんな本をお読みになるんですか。
段田:去年、乗ってた電車がとまっちゃったことがあって、本の宣伝シールがドアのガラスにペタッと貼ってあって、その本が気になったんですね。すぐ本屋に行ってその本を買って読んだんです。それが東野圭吾さんの推理小説で読んだらおもしろいんですよ。それから本屋に行くようになりました。それ以来、推理小説にハマりまして、宮部みゆきさんとか、いろんな人のを読むようになりました。高校生のときには、エラリー・クイーンとか読んでましたが、大人になってからはまったく読んでなかったので久しぶりの読書です。
林:本を読まれていると、演出家として、映画とかテレビドラマでやりたいなと思われたりもするんじゃないですか。
段田:男と女がくっつくとか別れるとか、そんな恋愛ものは見たかねえやって思いますし、かといって、アメリカのアクションものみたいなのがいいかというとそうでもない。でもたとえば雪山の山荘に集まった人たちが一人ずつ死んでいって、さあ犯人は誰だ、みたいなのを舞台にしたらおもしろいんじゃないか。お金もかからないし……みたいなことは考えますね。失礼ながら、林さん、戯曲はお書きになるんですか。
林:オペラの脚本は書いたことがあります。
段田:じゃ、今度は舞台の戯曲をぜひ。戯曲と小説ってまったく違うものなんですか。
林:まったく違うと思います。戯曲はすごく難しいと思います。
段田:難しいですか。でも、いつの日かお書きになったらいかがでしょうか。読んでみたいです。
林:はい。私、お芝居が大好きなので、いつかは書きたいと思います。そのときはぜひ演出をお願いいたします!
(構成/本誌・松岡かすみ、編集協力/一木俊雄)
※週刊朝日 2020年10月23日号より抜粋