ベトナム戦の2失点目、イラク戦の1失点目は「代表の正GKならば」防いで欲しいレベルのものであり、その失敗をカバーするようなスーパーセーブがなかったことに加えて、ベトナム戦の1失点目、インドネシア戦の失点は、DFへの“声かけ”で防げていた可能性がある。コーチングが不足気味で、味方を叱咤激励する場面もない。どの若手GKにも言えることだが、守護神として必要な「安心感」と「存在感」が現時点では足りないように感じる。この経験が今後への成長に繋がるはずで「収穫」であると言えることもできるが、個人の成長を犠牲にしてチームが大会に敗れることは許されない。

 もう一人、右サイドバックの菅原のパフォーマンスにも厳しい声が寄せられた。特に守備面での“緩さ”が目立ち、特にイラク戦での2失点目は、DFラインの押し上げと意思統一不足も要因ではあったが、持ち場である右サイドを簡単に突破されたのは事実だ。その代わりにインドネシア戦でスタメン出場した毎の出来は非常に素晴らしかった。相手がインドネシアということもあって守備面での評価は後回しだが、攻撃面では巧みなポジショニングからのパス出しと持ち運びに加えて、久保建英や堂安律との鮮やかな連携から相手ゴール前まで侵入するダイナミックな動きで決定機を作り出した。この毎熊は間違いなく「収穫」であり、決勝トーナメントでもスタメンで起用すべきだ。

 一方、第3戦のインドネシア戦で左CBとしてスタメン出場した町田は、やや厳しい評価を下したい。コンビを組んだ冨安健洋との連携で高いライン設定を維持した点は良かったが、左利きの特性を持ちながらもビルドアップでは違いを見せ切れず、後半31分には縦への突破を許した後に“あわやPK”の場面もあった。そして後半アディショナルタイムにロングスローから失点した場面では、ボールウォッチャーとなった末にゴールを決めた6番の選手のマークを外し、自ら頭でハイボールを競りに行くも判断が悪くボールに触ることができなかった。冨安を筆頭に他のCB陣のコンディションにもよるが、3番手以降という優先度は変わっていない。

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ハッキリ「収穫」と呼べるのは?