毎年8月のお盆の頃に極大を迎える「ペルセウス座流星群」、今年は12~14日の間が見頃とか…晴れた夜には空を見上げる方も多いかと思います。流星と流星群の違いと、秋の季語「流れ星」と共ににお伝えします。

夏から秋へ、移りゆく夜空

立秋を迎え、暦の季節は「秋」に入りました。まだまだ、暑くて秋とは思えない日々を過ごしていますが、自然は刻々と次の季節へと様変わりをはじめています。
例えば「風」や「空気」。以前とちがうな…と感じることはありませんか。季節も自然の一部です。昨日から今日、いきなり変わることはなく、少しずつ少しずつ、変わってゆくものなのです。
そんな中で、わかりやすいのが空です。天体は季節を測る元ですから、本当に日々刻々と動いています。日の出・日の入りの時間にはじまり、星の位置や見え方も一日毎に変わります。ですから、夏から秋へ少しずつベールをはがしていくように空は景色を変えていくのです。では、夜空へ目を向けてみましょう。

流星群にはなぜ名前がついているの?

流星群とは、単に流星がまとまって見えることではなく、一つの定義があります。それはとてもシンプル。「毎年ほぼ決まった時期に、多数の流星が出現する現象」です。この、「毎年ほぼ決まった時期に、多数の…」というところが大切です。流星は一年中私たちの上に流れています。ですから、流星群が来ている間にも別の流星も一緒に見ていることがあります。それらの名もない流星とは異なり、流星群と呼ばれる流れ星たちは、ある星座を起点(放射点)に流れるので、その星座の名前がついています。今まさに、ピークを迎えている「ペルセウス座流星群」は、ペルセウス座を起点として流れ星が発生しているのです。

ペルセウス座流星群の特徴とその他の流星の違いは?

流星群に属さない名もない流星を「散在流星」といいます。北半球の今頃の空は天体観察に適しているので、ペルセウス座流星群だけでなく「散在流星」も一緒に見えるかもしれません。ペルセウス座流星群の特徴は、地球へ衝突する速度が速いため「明るい」こと、流星が流れたあとに煙のようなぼんやりした「流星痕」が見えることです。
また、流星の中でもとても明るい「火球」があります。実は流星には色がついているのですが、明るい流星の場合その色がわかることがあるようです。そして、音(衝撃音など)が聞こえることもありますので、観察する際には五感すべてで感じてみて下さいね。

季語と流星…歳時記より

秋に入り、歳時記は「秋」。実は流星をはじめ、天体にまつわる季語が秋に属するものが多いのです。なぜかというと、「秋澄む」という季語からもわかるように、夏から秋にかけて空が澄みはじめるからなのです。
冬から春へ空にかかったベールは、夏から秋にかけて澄み渡ってゆきます。ペルセウス座流星群は、7月下旬から約一か月ふりそそいでいますから、極大(いちばんよく見える)日はもちろんのこと、その日を過ぎても澄みゆく空を翔けてゆくさまが見られることでしょう。季語「流星」は、「星流る」「星飛ぶ」などとも言います。
当日のお天気は少し心配ですが、国立天文台をはじめ、天文関係で観測キャンペーンもあります(リンク参照)。
雲の切れ間を見つけて「流るる星」に願いをかけたいものですね。