だが、シーズン通しての成績を見ると7勝8敗、5ホールド、2セーブ。四死球も多く、防御率は7.18と非常に高い。数字だけで判断するとメジャー契約を確約できるようなものではないだろう。
「藤浪はクローザーを任せられるわけでもなく、セットアッパー1番手としてもこころもとない。そういう選手の需要が出てくるのは各球団の方向性が見えてから。本気で獲得へ動く球団が現れるには、全体の流れがもう少し決まってからだろう」(大手エージェント会社関係者)
「球威はあるのでストライクを取れる時は良いが、日本時代と同様に突然コントロールを乱す部分も見られた。昨季オリオールズではプレーオフでのベンチ入りができなかったのが評価。短期決戦のような大事な場面では使えない投手だったということ」(MLBアジア地区担当スカウト)
とはいえ、藤浪の代理人のボラス氏は“敏腕”として有名。マイナー契約になる可能性は低いと見られている。だが、昨年のパフォーマンスである程度、能力や課題が米国で把握されている2年目は仮にメジャー契約となっても、所属チームでは最初から結果が求められるという。
「ボラス氏のことなのでメジャー契約を結ぶのは間違いない。しかし条件面ではオプションを厚くするだろうがベースは厳しいものになるだろう。キャンプから開幕、その後で結果を出せなければリリースの可能性もある。藤浪本人のパフォーマンスに全てがかかっている」(米国在住スポーツライター)
状況次第では早い段階でメジャーチームから厳しい通告をされる可能性もあるという藤浪。オフにはテレビ番組で将来的に古巣の阪神に復帰したいという意向を示していたが、仮に“今年”日本に戻るという決断を迫られた場合は獲得に動くチームはあるのだろうか……。
「セ・リーグでは投球、牽制、クイック、守備など全てのクセがバレている。日本復帰の場合はパ・リーグが現実的、新庄剛志監督がラブコールを送り続ける日本ハムや澤村拓一など外様選手にも優しいロッテが考えられる」(大手エージェント会社関係者)