大学生時代のトラウデンさん。馬とはずっと触れ合ってきた(事務所提供)

「賢いことを言わなきゃ」という重圧

 トラウデンさんが単発でニュースのコメンテーターなどを務め始めたのは6年ほど前からだが、当初から悩みはあったという。

「最初のうちは『賢いことを言わなきゃ』『考えずにものを言っちゃいけない』と気負っていました。自分の中で“真面目モード”が強く出すぎてしまうというか、頭がいい人として振る舞わなきゃいけないと思い込んでいたんです。だから、事前にすごく勉強して、自分の能力以上のものを出そうと必死にもがいていました。でも、そうすると当然どこかで限界が来ますよね……」

 そんなふうに無理をしていたトラウデンさんは、あるときから吹っ切れたという。

「それまで積もり積もったものが限界に達して、ふと『もうなんとでもなれ!』と思ったんです。今、私が思っていることを素直に言おう、等身大の自分でいようって考えるようになって、少し気持ちが楽になりました」

 名門大学を卒業した後は硬派なニュース番組のキャスターをこなし、環境問題でも発信力がある。視聴者はトラウデンさんに知的で聡明なイメージを抱いているかもしれないが、世間が抱くイメージと“本当の自分”との間にはギャップを感じているという。「私は皆さんがイメージしているような人間じゃないんです」と漏らす。

「一般的には、真面目とか優等生ってイメージが強いと思うんですけど、実際はそんなことなくて……。本当は適当でめんどくさがりな人間なんです。お酒を飲みすぎてしまう日もあります。自分の思うままに生きていたいって気持ちが強くて、学生時代もわりと一人でいました。ランチに誘われても、『ごめん、今日は本読みたいからいいや』って気分が乗らないときは断ったり。これまでは結構好き勝手に生きてきたので、今は世間からの見られ方に戸惑っています」

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「頭で考えすぎてしまう」ことが悩み