トラウデン直美さん(撮影/写真映像部・上田泰世)

髪をばっさりと切った理由

 自分は本当にコメンテーターやキャスターという仕事をこれからもやっていきたいのか――。最近はそう自問自答することが増えたという。

「私自身、この仕事は楽しいと思っているんです。知らない世界を知ることができるし、ニュースの裏側はこんなだったのかという発見もある。取材に行くこともすごく好きなんです。でも、向いてないなって……。これまではがむしゃらにやってきましたけど、最近は正直、向いてないっていう気持ちが強くなってきたように思います。人前に出て、批判されたりするのは、今でもしんどくて……。心ない言葉を浴びせてくる人の気持ちも考えてしまう性格でもあるので、それがまたしんどいんですよね」

 昨年、トラウデンさんは「心境が変化するかもしれない」と考え、トレードマークだった長髪をバッサリと切り、内側の髪を黄色に染めた。

「長い髪が好きで、これまで短くしたことがなかったんです。髪を染めたり、パーマをかけたりすることも一度もなくて。そのことが私のアイデンティティーの一つでした。だけど、それにこだわっていること自体に、私がいつも考えてしまう『ああしなきゃ』とか『こうしなきゃ』っていうのが一緒に詰まっているような気がしたんです」

 だからこそ、人生で初めてばっさりと髪を切り、今までにない色に染めてみた。髪形を変えたときは、さまざまなことで思い悩んでいた時期と重なるという。

「昨年の4月から5月ごろに、グーッと考え込んでしまって。毎年この時期はそうなんです。私は常に変化を求めているところがあるんですけど、前年からあまり大きく変わらなかったなって考えると、気持ちが落ち込んでしまう。逆に変わった部分があると、楽しいしワクワクできるんですけど、今度は変化になじむのに心と体が一致してない感じがあって、意外と疲弊していたり。とにかくいろいろなことに疲れていました」

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