「ブラジリアン柔術は打撃がないのでケガが少なく、私たちはこれを『誰にでも楽しめるもの』として広めてきました。安全に受け身が取れて、技をかけられた時の『参った』、すなわちタップができれば、誰にでもできるんです。体力に依存する部分が少なく、年配の方も無理なく楽しめるので、『生涯スポーツ』としての側面もあります」

 その中で、芸人や俳優など芸能人の柔術愛好家は以前からいたが、岡田や玉木のように大会に出るほど熱心な人も出てきて、ようやくその認知が広がってきたという状況だという。

「仕事柄、青たんを作ったり骨折したりする危険性がある競技はやれないという人たちも楽しめて、大会にも出られるというほどの安全性があることの証左でもあるでしょう。大会のカテゴリーが、年齢や体重で細かく分かれていることも大きいと思います。打撃がないので見た目に地味なのは否めないところですが、何より柔術には『学んだ技を実際に試せる』という良さがあります。柔術は“超実地主義”なので、教わった技が実際に使えて、動きの中で様々に応用できることが分かります。そこに知的好奇心を刺激される人も多いですね」(中井会長)

 ケガが少なく、実際に試せて、自分の年齢や習熟度に合わせた試合にも出られる。こうした魅力は芸能人ならずとも、始めるハードルを低くしてくれるもの。今回のニュースも影響して、ブラジリアン柔術はますます普及していきそうだ。(ライター・高崎計三)

AERA 2024年1月22日号より抜粋

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