伊集院は多忙な中でもあちこちに出かけたり、さまざまなテレビ番組やエンタメ作品をチェックしたりして、膨大な量のインプットを続けている。そして、ラジオ番組を中心にして継続的なアウトプットを行っている。

 この路線で彼のライバルと言えるような存在がいるとすれば、年々タレント化しつつあるテレビプロデューサーの佐久間宣行だろう。そんな2人が現在は『伊集院光&佐久間宣行の勝手にテレ東批評』(テレビ東京)というレギュラー番組で共演しているというのも面白い。

 伊集院は、世の中のあらゆる物事を咀嚼して、自分なりの見方を提示して、視聴者の日常につないでくれる架け橋のような存在だ。2023年が彼の「ブレーク元年」だとすれば、2024年は「大ブレーク元年」ということになるのではないか。(お笑い評論家・ラリー遠田)

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ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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