2023年は自身のブレークを実感したという伊集院光

「ブレークタレント」と言われると、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは、最近なら自衛隊芸人のやす子、アーティストのあの(あのちゃん)のようなフレッシュな顔ぶれである。

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 しかし、実は昨年、意外な人物が密かにブレークタレントと呼ばれるポジションに上り詰めていた。

 12月31日深夜(1月1日午前)放送の『あちこちオードリー新春SP』(テレビ東京)にて、オードリーの若林正恭に2023年はどんな年だったかをたずねられて、伊集院光は「どうやら俺、やっと売れたっぽい」と答えていた。

 伊集院の話によると、2022年3月に朝の帯ラジオ番組『伊集院光とらじおと』(TBSラジオ)が終了したことで、伊集院のスケジュールが空いているという情報がテレビ制作者の間にじわじわと広まっていった。そこからテレビの出演依頼が少しずつ増えていき、2023年にはそれがピークに達していたというのだ。

280本のテレビ番組に出演

 株式会社エム・データが発表した「2023年TV番組出演ランキング」によると、伊集院は2023年に280本のテレビ番組に出演している。これは全テレビタレントの中でも突出した数字であり、冠番組やレギュラー番組がそれほど多くはないタレントとしては驚異的な記録である。

 しかも、「ラジオの帝王」として知られる伊集院は、相変わらずラジオに軸足を置いた活動をしている。週11本のラジオ番組に出演しながら、テレビでもそれだけの稼働を続けてきたのだ。オードリーの2人も「大ブレークしてたんですか!」「ブレークタレント」と、驚きの声をあげていた。

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ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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