まとめ買いをするときは野菜の鮮度を見つつ傷みやすいものから使う。冷凍ブロッコリーも可。葉ものの「◯束」は都内の一般的なスーパーの目安(撮影/写真映像部・上田泰世)
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 調理時間10分以内、安くておいしい鍋で冬ダイエット&健康パワーアップ。一生使える本誌オリジナルレシピをどうぞ。AERA 2024年1月15日号より。

【レシピ5つ】材料2つだけ! 高たんぱく鍋+栄養コスパのいい野菜は?

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 たんぱく質の不足は皮膚のたるみ、肌荒れ、髪のツヤ喪失、薄毛などにつながる。要するに“老けて見える”わけだ。

「逆にいえば、たんぱく質をとることで筋肉、血管、内臓、肌、髪、爪などあらゆる部位に好影響をもたらすわけです。健康維持のため、減量中でも意識してたんぱく質をとりましょう」(立命館大学スポーツ健康科学部教授の藤田聡さん)

 だからといってたんぱく質だけを重視し、糖質や脂質をまったくとらないのはダメ。

「筋肉の維持に糖質や脂質も必要です。体重を健康的に減らしたいならたんぱく質は意識して多くとる。糖質や脂質は通常より控えめに。これが一番いい」

 ダイエットが必要ない人も、健康と若さ維持のためたんぱく質はたっぷり摂取してほしい。

 健康を維持しつつ食生活から筋肉を育てるには、ビタミンやミネラルも重要である。

「たんぱく質と一緒にとりたい栄養素は、代謝をサポートするビタミンB群。たんぱく質の合成を助けるビタミンC。筋肉の維持・成長を助ける亜鉛、鉄、カルシウム。体の機能を調整するミネラル。つまり肉や魚とともに野菜や海藻も食べること」

栄養コスパのいい野菜

 結局、バランスよく食べましょうという教科書的なオチにたどりつくのだが、何か手軽な料理はないものか。

「冬は鍋が理想的です。栄養を効率良くとりながら、体重調整と健康を両立させられます」

 たんぱく質と野菜をたっぷり入れた鍋を「高たんぱく鍋」と命名。物価高で材料費を抑えたいので材料は二つだけがいい。それでも栄養バランス満点で、誰が作ってもおいしくなるAERAオリジナルレシピを管理栄養士の加藤彩子さんに頼んだ。

 まずは野菜選びだ。

「たんぱく質と一緒にとりたい栄養素で、野菜から摂取しやすいものはビタミンB群、ビタミンC、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、食物繊維です」

 文科省の食品データから、これらの栄養素が豊富で、スーパーでも手軽に買える野菜をラインアップ。加藤さん監修のもと、総合的に栄養価が高い「野菜の栄養コスパ」ランキングを作った。

 モロヘイヤの栄養価が突出して優れているが、どこでも入手しやすいとはいえないので参考記録とする。トップ3はにんじん、春菊、ほうれんそう。

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