F2.8通しのズームレンズの3本目は大口径広角レンズ
オリンパスのM.ZUIKO PROレンズシリーズの大口径ズームレンズの3本目だ。既発売の12~40mmや40~150mmと組み合わせれば、いわゆる大三元を構築できるようになるため、このレンズの登場を心待ちにしていたオリンパスユーザーも多いだろう。実際に手にすると、マイクロフォーサーズ用レンズとしては大きく重めだが、35mm判換算で14~28mmでズーム全域F2.8のレンズであることを考えればかなり小型に作られており、マイクロフォーサーズ規格のメリットを強く感じる。
同社最高位のPROレンズシリーズだけに鏡胴のつくりや仕上げはかなり丁寧だし、防塵・防滴についての信頼感も高そうだ。精密感というかモノとしての作り込みは、最近のニコンやキヤノンの高性能・高級レンズよりも上に思える。フィルターが使えないのは唯一残念なところ。他社のレンズでも使えないが、だからこそ対応してほしかった。
デザイン
同社PROレンズに共通したつやのあるブラック仕上げはかなり高級感があって、高性能・高級レンズらしい質感を備えている。鏡胴はほとんどの部分が金属製だが、脱着不可の花形フードは樹脂製でバンパー的な役割も果たす仕組み
使用感・操作感
ズームリングのトルク感を含め、このクラスに求められる官能性能は十分に満たしている。前玉を傷つけないよう、頻繁にキャップの脱着を行ったが、前玉が飛び出たレンズ用としてはキャップの仕組みがよく、着脱しやすかった
描写性
先に発売された2本のPROレンズと同様に描写性能は非常に高く、絞り開放で画面中央部の解像力が高いのはもちろん、広角側での周辺も乱れは最小限に抑えられている。ボディー側での補正も手伝って各種収差もよく補正されている
40Mハイレゾショットにも堪えうる解像性能
オリンパスのOM-D E-M5 MarkIIは、有効約1605万画素だが、撮像素子を0.5ピクセル単位で動かしながら8回連写し、合成することで約4000万画素の高解像度画像を得られる「40Mハイレゾショット」機能が搭載されている。
この機能を使用する場合、当然ながらレンズには4000万画素に堪えうる解像性能が求められる。今回の7-14mmはどうだろうか、試してみた。最広角側の画面周辺でも妙な色ずれなどは発生しておらず、ちゃんと解像しており、その効果を実感できた。特に問題なく使用可能で、将来的にマイクロフォーサーズ機の基本画素数が上がっても十分対応できる性能を備えている。
◆ 河田一規
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●焦点距離・F値:7~14mm・F2.8●レンズ構成:11群14枚(EDAレンズ2枚、DSAレンズ1枚、非球面レンズ1枚、スーパーEDレンズ3枚、EDレンズ1枚、HRレンズ2枚) ●最短撮影距離:0.2m●最大撮影倍率:0.12倍●画角:114°~ 75°●フィルター:装着不可●大きさ・重さ:Φ78.9×105.8mm・534g●価格:18万3600円(実売14万6880円)