朝鮮人民軍創建75年の軍事パレードに現れたキム・ジュエ氏=中央=(写真:ZUMA Press/アフロ)

 2024年は「女将軍」が一層の注目を集める年になりそうだ。

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 韓国の趙太庸・国家安保室長は23年の12月3日、テレビ番組の「KBS日曜診断」に出演。北朝鮮の金正恩総書記の娘で、「キム・ジュエ」とされる女性について、「後継者と考える必要がある」との考えを示した。

「北朝鮮では11月29日が『航空節』という記念日で、30日に正恩氏とジュエ氏は空軍の主要施設を訪問しました。翌日にその様子を収めた写真が労働新聞などで公表され、趙氏はこれに着目しました。何しろジュエ氏は父と同じサングラスと革のコートを着用し、父より前に立っていたのです。これまでジュエ氏の姿は十数回にわたって北朝鮮のメディアが報じてきましたが、常に父の隣か後ろでした。父が後ろにいるという写真は異例でした」(北朝鮮問題に詳しい週刊誌記者)

 趙氏は、ジュエ氏の“後継者説”について「100パーセントの確信はできない」としながらも、「今は『キム・ジュエは後継者のようだが、それは確かなのか?』と確認する段階だ」と指摘した。

「北朝鮮は22年11月18日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)『火星17型』を発射しました。その際、現場を視察するジュエ氏の姿を初めて報じたのです。さらにこの後、北朝鮮国内では、ジュエ氏のことを『朝鮮の新星女将軍』と呼称していることも韓国政府は把握しています。これも後継者決定説の有力な根拠だとされています」(同)

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井荻稔

井荻稔

ライター。福岡県出身。大手新聞社で主にサツ回りとしてキャリアを積んだあと、主に週刊誌やネットメディアで記事を執筆。フィールドはカルチャーから政治まで広いがゆえに、逆に得意分野はなし。趣味は映画鑑賞と暴飲暴食。

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出生年すらわからない