経済評論家の山崎元さんが1月1日に亡くなった。65歳だった。2023年10月5日発売のAERA増刊に掲載されたインタビュー記事では幼少期から今までの人生、自身の食道がん(ステージ4)について6ページにわたり語っている。山崎さんを偲び、ここに全文掲載する。(年齢、肩書きは当時)
(とある初心者)この外貨建て金融商品に1000万円、投資しようと思うんですがどうでしょうか。
(山崎AIチャットボット※)ダメです。同じリスクと内容の外貨建てMMFを買ったほうが、為替レートも金利もかなりマシです。1000万円の投資なら、あなたはバカのコストとして手数料を7万5000円も余計に払うことになりますよ。
※チャットボット…自動会話プログラム
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「『山崎AIチャットボット』に相談すると、こんな感じでズバッと答えてくれるサービスってどうかな。何かを買ったり契約したりする前に、ちょこっと相談できる。定額課金はゼロ、お礼は1回100円で」
いたずらっぽく笑う山崎元さん。辛口の経済評論家として知られる。運用や先端金融の現場で積んだ経験をもとに、お金にまつわる「定説」の真偽を理路整然と検証していくスタイルが人気だ。
「私に、あと30年の持ち時間があって起業するなら『マーケティングの解毒サービス』がおもしろそうです」
マーケティングの解毒? なんだそれは。
「毎月分配型の投資信託(以下、投信)や『高い配当金を年金代わりに!』といったキャッチコピーに引っかかる人が絶えません。
巧みなセールスで高額な羽毛布団を買ってしまう人は、コストの見えない(実は高コストの)外貨建て保険にも契約するんですよ。
情報弱者はマーケティング上の聞こえのいい言葉にだまされます。それを『解毒』してあげるというわけ」
ネーミングがうまい。このお方、口は悪いが(失礼)、言葉選びのセンスが抜群なのである。聞く者を引きつける。