大げさに言えば、彼女たちがいなければ女性芸人がここまで数多くテレビに出ることはなかっただろうし、『女芸人No.1決定戦 THE W』のような女性芸人限定のお笑いコンテストが開催されるまでにはならなかっただろう。女性芸人の先駆者としてのハリセンボンの功績は大きい。

 個人的には、2016年に近藤が朝の情報番組『スッキリ!』のサブ司会に就任したあたりから、この手のタレント業が増えてきて、純粋な芸人としての仕事が減っていることに一抹の寂しさを感じていた。その後、近藤だけがエージェント契約になったことで、コンビとしての足並みが揃わなくなっているようにも見えた。

 今回の事務所移籍は、彼女たちが心機一転して新しいことを始めるための良い機会となるだろう。女性芸人の歴史に名を刻んだレジェンドコンビの今後に期待したい。(お笑い評論家・ラリー遠田)

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ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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