まずは人の名前を覚えてコミュニケーション巧者に
幸せなコミュニケーションのためには、相手の名前を呼びかけることが基本です。
「人の名前を覚えるのが苦手」という人も多いのですが、誰だってそうです。「苦手」と言った途端にモチベーションが減退するので、前向きに覚える努力をしましょう。
うまく覚えるコツは、「音」ではなくイメージで、また「していること+フルネーム」で暗記すること。たとえば「○○をしている山田太郎さん」という具合です。
そもそも、相手の名前を呼びかけ、話しかけることがなぜ大事なのかというと、ネームコーリング効果が期待できるからです。
ネームコーリング効果とは「自分の名前を呼んでくれる相手を、無条件で好きになりやすい」という心理を指します。
「名前を呼ぶと、相手に好かれる理由」は、いくつかあります。
1つ目の理由は「承認欲求が満たされるから」です。
人は、自分の名前が呼ばれることで「個人として存在を認めてもらえている」と感じ、承認欲求が満たされます。承認欲求とは「他人から認められたい」「価値があると思われたい」という欲求のこと。
これが満たされると、満たしてくれた人の好感度が無条件にアップします。
2つ目の理由は「ネームレター効果」です。
ネームレター効果とは「自分の名前を呼ばれると、呼んでくれた人に対して無条件に好意を持ちやすくなる」という心理のことです。
3つ目の理由は「返報性の原理」です。
誰でも名前を呼ばれると、「この人は私に好意を持ってくれている」と感じます。
そして無意識に「自分も相手に好意を返さないと」と感じるようになります。
このような返報性の原理により、相手に好意を持つようになります。
4つ目の理由は「オキシトシン」という幸せホルモンです。
ポーラ化成工業株式会社(ポーラ・オルビスグループ)による次のような研究があります。普段、下の名前で呼ばれていない女性に、初対面の人がファーストネームで呼びかけると、オキシトシンの分泌が増え、ストレスホルモンのコルチゾールが減ったのだそうです。
これらの4つの理由により、名前を呼ぶことで相手に好かれやすくなります。
結果的に、幸福度の高いコミュニケーションができるようになるというわけです。
リアルの場でも、オンラインでも、名前の呼びかけを習慣化していきましょう。