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ノーベル賞のパロディとして創設され、世界中の独創性に富んださまざまな研究や発明の中からさらに「人々を笑わせ、同時に考えさせる研究」に贈られるのがイグノーベル賞です。私たちの日常で遭遇するぼんやりした「?」や滑稽な出来事、事件を科学的に解き明かして、見事イグノーベル賞を受賞した研究を紹介した書籍ヘンな科学 “イグノーベル賞”研究40講』より一部抜粋・再構成してお届けします。

ジェットコースターで尿路結石が通る

「楽しい」「子どもが喜ぶ」「本当は苦手だけど、彼女の前で格好付けたい」以外にも、ジェットコースターに乗る理由が見つかった。

 2018年に医学賞を受賞した研究ではアメリカの医師らが、決まった特徴を持つジェットコースターに乗ることで、小さい尿路結石なら尿路を通ることがあると報告した。彼らは、尿路結石を持つ人は定期的に遊園地に行くと良いだろう、と提言している。

 研究を行ったのはデイビッド・ワーティンガー医師とマーク・ミッチェル医師。きっかけはワーティンガー医師が担当する患者の春休み旅行だった。患者がフロリダ州にある遊園地のディズニーワールドから帰ってくるなり、「先生!ビッグサンダーマウンテン(ディズニーワールドにあるジェットコースターの1つ)に乗ったら石のうちの1つが通ったよ!」とワーティンガー医師に報告してきた。

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