ディズニー公式サイトによると、ビッグサンダーマウンテンは「鉱山列車が、荒野を急旋回する」ことがテーマのライド。とても人気がある。
慎重派のこの患者、石が通ったのはただの偶然の可能性もあると考え、何回かビッグサンダーマウンテンに乗ってみた。すると、毎回新たな石が通ったそうだ。
興味津々のワーティンガー医師は、実際に試してみることにした。3Dプリンターで尿路のシリコン模型を作り、大きさの異なる3つの石や尿も含め、ある尿路結石患者の腎臓系を忠実に再現した。その模型をリュックに入れ、腎臓のある辺りの位置で抱え、医師自身で20回、ひたすらジェットコースターに揺られた。
本当は、ウシかブタの腎臓を遊園地に持って行って試したかったものの、「ファミリーフレンドリーな遊園地で、そのようなものを周囲の目に入れるのは不適切である」としてやめたらしい。
ディズニーワールド側には事前に許諾を取った。論文の謝辞では「この研究を敷地内で行う許可を与えてくれたディズニーワールドに感謝する」と述べている。
ジェットコースター後方の席のほうが石が通る
患者の言っていたことは本当だった。腎臓模型の中で確かに石が通ったのだ。ワーティンガー医師は、ジェットコースター後方の席に座った時のほうが、前方の席に座った時よりも、腎臓から尿路へ結石が移りやすいことを確認した。
石の大きさにかかわらず、前方座席では17%の確率で通った一方で、後方座席では64%の確率で通った。後方座席のほうが揺れが激しいから、と推測している。