米国20ドルプルーフ金貨リバティヘッド(出所はコイン鑑定のPCGSのサイト)
米国20ドルプルーフ金貨リバティヘッド(出所はコイン鑑定のPCGSのサイト)
米国20ドルプルーフ金貨リバティヘッド(出所はコイン鑑定のPCGSのサイト)
米国20ドルプルーフ金貨リバティヘッド(出所はコイン鑑定のPCGSのサイト)

 家具もコレクション投資の対象になっている。製造から30年以上を経るとヴィンテージ家具、100年以上はアンティーク家具と呼ばれる。デザイン性に優れた「北欧ヴィンテージ」は数百万円で取引されるものもあるという。大城さんのところでも、こうしたコレクション家具を預かり、保管している。

 コレクション投資の市場は規模など実態がわかりにくい。大城さんによると、オークション会社は世界に6千社ほどある。クリスティーズ、サザビーズ、フィリップスの大手3社の21年の取扱額は2兆円を超えていたという。

 昔の金貨や銀貨で、欧州ものを中心としたアンティークコインを扱うのがトレーディングリブラ(東京都稲城市)。石山幸二代表は「欧米のオークションで売買され、明らかに値上がりするコインがある。コインは現物資産という位置づけ」と解説する。アンティークコインは希少性と人気で値段が変わり、3グラム程度で「2千万~3千万円は普通で、数億円するものもある」という。

 アンティークコインは1枚で20億円程度が限度と石山さんはいうが、いまはコロナ・バブルで「1億~2億円くらいの物は、わりと出てくる」と話す。

 新型コロナウイルスの蔓延による景気の低迷の対策で、各国が財政出動でお金をばらまいた。それが富裕層に集まり、インフレで現金価値が目減りする中、「彼らはお金の価値を信じていないので、現物を買っている。資産防衛という感じ」と解説する。

 コインが鑑定されるようになったのは、石山さんによると90年くらいから。コインにはシリアルナンバーがあり、オークションの履歴を追えるようになり、「その推移を見て買い上げる人がいる」という。「オークション会社には、偽物が入ってくる可能性はほぼない」と話す。偽物をつくるには、コインそのもののほか、鑑定ケースもつくる必要があるため、どこかに不備が出てくるという。

 オークション会社は手数料として取引額の2割程度を受け取るので、2割くらい値上がりしないとアンティークコインは売りに出てこない。

次のページ