愛好家のコレクションのデータ登録や管理、現物を倉庫で預かる資産管理のサービスを提供しているのが「between the arts」(東京都港区)。同社は、美術品や時計、ワインやウイスキー、家具などオークション会社が扱っているものを対象にしている。データの登録・管理だけなら無料で、トレカをたくさん持っている小学生から、80代くらいまで、利用者はさまざまだという。
大城崇聡代表は、コレクション対象としては「過去10年で世界で一番値上がりしたのがウイスキー。次がワイン」と話す。高級で希少なウイスキーで、英国で2019年に60年ものの「ザ・マッカラン」が2億円以上で落札されたという。サントリーの「山崎55年」が昨年のサザビーズのオークションで、1本約8100万円で落札されたとも。山崎55年が発売されたときの定価は330万円だった。
ワインは日常的に飲む人も多く、すべてがコレクションの対象になるわけでない。投資対象となるのは高級熟成ワインとされる。大城さんは「ワインやウイスキーは飲む楽しさもある」という。
当たり前だが、飲めば数が少なくなるため、年代ものは少なくなって希少性も高まり、値段が上がるようだ。ワインコレクターは「箱買いする」と大城さんは話し、「1回の取引で100本くらい平気で買って、飲まない分をうちに預ける」という。
■何を買うかより誰から買うか
腕時計もコレクション対象となるが、大城さんは「一様に全部の値段が上がっていくわけでない」と話す。世界的に人気があるのはロレックスで、こうした特定のブランド、ある年代の特定モデルが投資対象になっている。
前出の高橋さんも、投資対象として腕時計に興味を持ったことがあるという。しかし、「そんなに儲からないため、素人が入っていく市場ではない」と話す。
腕時計は小さく、保管しやすそうだが、大城さんによると、オイルは固まりやすく、劣化もしやすい。歯車は磨耗しやすいという。「何を買うか」よりも「誰から買うか」のほうが重要とも話す。ある時計のオークションでは商品の証明書のほか、「買ったお店の人の名刺まで出されていた」と話す。