応仁・文明の乱の舞台となった京都(写真:iStock / Getty Images Plus)
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どうする家康」が終わり「光る君へ」。明治維新や戦国時代をやりつくしもうネタ切れかと思いきや、歴史研究の成果と新説の登場により、新たな大河ドラマの可能性が広がっている。AERA 2023年12月25日号より。

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 年末になると最終盤を迎えるNHK大河ドラマ。今年の大河ドラマの感想や、来年はどんなドラマになるのかが話題にのぼる。特に昨今は技術的な進歩や研究の進展もあり、以前とは違う見せ方や解釈で大河ドラマが展開されてもいる。

「『鎌倉殿の13人』を見た時、ドラマの展開に、史実として正しいのかと思い調べてみると論文が見つかり、新しい論を採用していることが分かりました。とても感服した覚えがあります」

 そう話すのはお茶の水女子大学・文教育学部准教授の大薮海さんである。大薮さんは室町時代の研究をしている。そして大薮さんは研究のテーマでもある応仁・文明の乱をぜひ取り上げてほしいと力説する。

 1994年に応仁・文明の乱前後を描いた「花の乱」が放映されたが、あまり視聴率はよくなかった。ドラマの内容というより、応仁・文明の乱という複雑な戦いを題材にしたので視聴者に受け入れられなかったのかもしれない。

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