愛媛をPRする「和牛」の水田信二(左)と川西賢志郎=19年3月23日

 世間の人から見ると、和牛の解散発表は寝耳に水という感じがするかもしれない。だが、個人的には、解散発表の知らせを聞いたとき、驚きよりは納得の方が大きかった。ああ、来るべきときが来たか、という感じがした。

 というのも、和牛の2人の間では、少し前から不穏なムードが漂っていたことを知っていたからだ。

『かまいたちの知らんけど』の2023年の正月特番では、かまいたちと同期の芸人が旅行する「同期旅」という企画が行われていたが、天竺鼠、藤崎マーケットといった同期芸人がコンビで参加する中で、和牛からは水田だけが参加していた。

番組には水田1人ということも

 これに限らず、近年では和牛がコンビとしてテレビに出演する機会はほとんどなくなっていた。バラエティ番組に出るのは水田1人だけということが多かった。

 川西はもともとテレビの仕事に乗り気ではないということも噂されていたし、テレビの演出の都合で自分が思っていないことを言わされることへの不満を雑誌連載のコラム内で告白していたこともあった。

 そして、2人の間の溝が浮き彫りになったと個人的に感じたのが、ラジオ番組での「ご祝儀拒否事件」だった。

 2022年11月放送の『和牛のモーモーラジオ』の中で、水田が結婚したばかりの川西に対して、予告なしにご祝儀を渡そうとしたことがあった。

 このとき、川西はご祝儀を受け取ることを頑なに拒否した。「コンビ間ではご祝儀を渡し合うことになるから、お金が移動するだけで意味がわからない」というのが彼の言い分だった。

 水田は、ラジオの企画として形だけでも受け取ってくれないかと詰め寄ったが、川西は最後まで譲らなかった。

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芸人のノリを超えた不穏な感じ