宇佐美希和さん

ありのままを応援してほしい

 高校時代の彼女の演奏が、「だれでもピアノ」誕生の原点になっている。2015年に、筑波大学附属桐が丘特別支援学校在学中の彼女の演奏にインスピレーションを得て、東京藝術大学とヤマハが共同開発したのが、「だれでもピアノ」だった。

 第4楽章を担当する希和さんのリハーサルには、合唱団のメンバーも加わる。ピアノを弾いているときの希和さんの笑顔がとてもいい。合唱団も希和さんのピアノをサポートするかのように、「歓喜の歌」を歌いあげる。オーケストラ、さらに合唱が入ることで、いよいよ「第九感」が増してきた。

 リハーサルを終え、指揮者の米田さんはこう話した。

「3人のピアニストは、それぞれ個性があって、とてもすてきです。ピアノコンチェルトの編曲も、ピアノが活躍するところと、ピアノを応援するような気持ちでオーケストラだけで演奏するところと、それぞれが活躍できるようにつくられています。本番では、ありのままを見ていただけたらと思います。みんなで頑張って一途に、一緒に音楽をつくりあげていく姿を、応援する気持ちと、演奏会を楽しむ気持ちと半々で見ていただけたらうれしいです」

 リハーサルではあったが、こんなに真剣に「第九」を聴いたのは初めてだった。まるでピアニストたちと一緒に演奏しているような気分になった。

(山田智子)

*12月21日(木)、サントリーホールブルーローズで行われるコンサートの模様は、オンラインでライブ公開されます(16:30開演)。後日アーカイブ視聴も予定されています。(ホールでの観覧申し込みは締め切りました)

ライブ配信視聴サイトURL
https://www.youtube.com/watch?v=ls2BWZt-3Dw

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