
サワーと言えばレモン。そう思っている人は少なくない。でも、この色鮮やかな割り材たちを見てほしい(上の写真)。定番のレモンはもちろん、うめ、青りんご、烏龍茶など多くの種類がそろう。
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「調合には、かつてシェフを目指したからこそのこだわりがあって、すべて僕が行います。“点”と“点”が結びついた瞬間、つまりフレーバーと糖・酸のバランスが合った時に、『これがスーパーバランスだ』と感じるんです。特に『シークワーサー』は、ストレート果汁と相性のいいフレーバーが合致した商品です」
そう話すのは、東京・中野の地で90年以上の歴史を持つ飲料会社・東京飲料の寺田龍社長。「Touin(トーイン)」のロゴ入り炭酸水や多種多彩なサワーは、多くの居酒屋で焼酎の割り材として愛飲されている。「継ぐ気はなかった」という寺田さんだが、いま、大きな「野望」を抱いているという。発売されたばかりのムック「いま最高の酒場と焼酎。」から、寺田社長のインタビューを公開したい。
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東京飲料は1929年、初代社長が飲料製造工場の「東京飲料」を買収。以来90年以上にわたり、良質なラムネやサワーなどを作り続けている。初代の祖父、2代目の父親から3代目を継いだ寺田社長は、「もともと継ぐ気はなかったんです。中高生時代に父が運転する車の助手席に座って配達を手伝いながら、ヒット商品が出ない限りもうけは少なく厳しい業種だと思っていたので……」と話す。
高校卒業後は調理師学校へ進み、知り合いのフランス料理店でシェフ修業。しかしバブル崩壊後とあって客足は途絶え、店を辞めて大学で経済学を学んだ。それもいつか店を経営するためだったが、興味は移り金融機関に3年勤めた経験もある。そんな時に父親から「工場を手伝ってほしい」と頼まれたことが転機となり、28歳で東京飲料に入社した。