◆分散投資の一環として株式のインデックス型投資信託以外のものも組み合わせてみませんか
「『分散投資の一環』も、セールス的に便利そうな言葉ですよね(笑)。『全世界株式で分散できていると思うので、とりあえず1本でいいです』と答えましょう。債券が……不動産が……と言われたら、先ほどの『預金の量で調節します』でOK」
◆物価が値上がりしていますね。インフレに備えてリート(不動産投資信託)も悪くないですよ
「全世界株式の投資信託もインフレ対策には十分なります。リートも悪くないですが、どの投資信託を買うか迷うでしょうし、全世界株式と比べてコストは高め。運用をシンプルにするためにも新NISAで無理に買わなくてもよいのかなと思います。答え方は『もう少し勉強して考えます』でいいでしょう」
◆日本はまだまだ低金利ですが、海外の金利はこんなに上がっているので外貨預金いかが
「金利は高くても、為替が円高に動けば金利分は意外に早く飛びます。銀行窓口での外貨預金は為替手数料も高いです。答え方は『今、円安で怖いからやめときます』はどうでしょう」
金利約5%の外貨預金1年もの100万円分、為替手数料片道1円の場合でトータル約1万3500円のコスト。1ドル=約150円のときに預けて144円台まで円高が進むと、5%の金利が飛び元本割れとなる。
◆海外資産での運用に保険がセットになった商品があります
「保険と運用は別で考えたいですね。変額保険や外貨建て保険は、保険部分のコストと運用部分のコストが不透明です。答え方は『投資と保険は別にしたいかも……必要な保険には加入済みです』がマイルドかと」
◆リタイア後は、運用しながら取り崩していきましょう。毎月、分配金が出る投資信託がシニア世代に大人気なんです
「新NISAで毎月分配型は買えませんから、別ですすめられるパターン。答え方は『毎月分配型で信託報酬0.2%以下のものはないですよね。高いのでやめておきます』。これで話を終えられる気がします」
最後に、お客の立場からの体験談を。億超えの資産を持つ桶井道さんは都市銀行や地銀・信託・信金、ネット銀行・証券まで金融機関をフル利用している。