そこで今関さんが紹介してくれたのが兵庫県川西市の例だ。川西市では2018年、保護者の負担軽減を掲げた越田謙治郎氏が市長に就任。行財政改革の一環として市が交付してきた補助金の全面的な見直しを進め、そのなかで青少年補導委員会への補助金も打ち切っている。越田市長は言う。
「今は地域を歩いて回っても補導対象となる子どもがほとんどいません。だからパトロールでやっているのは補導活動ではなく、主に『見守り活動』です。でも見守りであれば他団体やボランティアの方がいろんなところでやってくださっている。青少年補導委員会にだけ補助金を原資に謝礼を出すのは公平性を欠いてしまうので、ゼロベースで見直しました」
補助金廃止を決めた背景には、謝礼があったとしても補導員のなり手が出ない地域が出てきていたこともあったという。
取材を終え改めて思う。補導員制度はまだ必要か。パトロールは希望者が行えば十分ではないか。(ライター・大塚玲子)
※AERA 2023年12月4日号より抜粋