AERA 2023年12月4日号より
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 2024年1月に始まる「新しいNISA」。極限まで手間を省き、知識ゼロでも失敗しない方法を“難しいこと抜き”で紹介する。最初に一瞬だけ手続きして、あとは忘れよう。AERA 2023年12月4日号より。

【図】2024年1月から新NISAを始めるには?

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 2024年1月から新しいNISA(少額投資非課税制度。以下、新NISA)が始まる。国が作ったお得な投資制度だ。新NISAが気になっていても「知識ゼロだから無理」「難しいことは嫌」「面倒な手続きはパス」の人も多いだろう。

 安心してほしい。この特集はそういった“ズボラ”な人向けの内容だ。投資するのは投資信託1本だけ。クレジットカード購入か銀行引き落としで自動的に積み立てが続けられるので、永遠に(?)ほったらかせる。名づけて「ほったらかし新NISA」。ここからはNISA制度の説明も必要最低限、難しいこと抜きで話を進める。

 NISAのメリットは税金がお得になることだ。通常、預貯金の利息や株式、投資信託などの運用で得た利益からは20.315%の税金が天引きされる。

 たとえば100万円で買った投資信託が値上がりし、110万円になった時に売却すると、利益の10万円から2万315円が差し引かれる。これがNISAの場合、非課税になる。

 ほったらかし新NISAは3ステップで完了する。

(1)証券会社か銀行でNISA口座を開く

(2)投資信託という金融商品の積み立てを申し込む

(3)忘れる(ほったらかす)

 以上だ。(1)はネット証券がおすすめ。ネット証券すら面倒なら、いつも使っている銀行でもいい。「昔作った対面証券の口座ならある」という人は、それでもいい。

AERA 2023年12月4日号より

12月中旬までに設定

 24年1月からの投資信託積み立て設定(クレジットカード)が大手ネット証券で始まっている。申し込みの締め切りは12月上旬~中旬が多い。詳細スケジュールをまとめたので参考にしてほしい。

 次に(2)。「投資信託といわれてもどれを選べば?」となるだろう。結論は「全世界株式の投資信託1本」。米国ならアップルやマイクロソフト、日本ならトヨタ自動車など、世界中の株式を一気に買える“おまとめパック”のような金融商品だ。

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大西洋平

大西洋平

出版社勤務などを経て1995年に独立し、フリーのジャーナリストとして「AERA」「週刊ダイヤモンド」、「プレジデント」、などの一般雑誌で執筆中。識者・著名人や上場企業トップのインタビューも多数手掛け、金融・経済からエレクトロニクス、メカトロニクス、IT、エンタメ、再生可能エネルギー、さらには介護まで、幅広い領域で取材活動を行っている。

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。「AERA」とアエラ増刊「AERA Money」の編集担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などの経済関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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