シリコンバレーの成功者も大半はアメリカで生まれていない。日本の「1億総活躍」は選挙向け政治スローガンとして理解できるが、本当にやるべきは世界80億人を日本のために活用することだ。そのためにも多くの日本人が世界を見て世界を感じて世界に日本を開いてほしい。
逆説的だが、日本の良さを再発見するためにも海外に出てほしい。日本にいては「日本の素晴らしさ」は当たり前になっていて実感できない。日本を離れている身の方が、日本の素晴らしさを再認識できる。
いい例が私の娘である。私の娘は2歳でシンガポールに引っ越し、今はシンガポールのインターナショナルスクールに通っている。シンガポールに暮らす子供たちの間では日本は大人気だ。
まず、日本は、あらゆる国籍・文化の子供たちに大人気の“ポケモン”に代表されるアニメの発祥の地としてリスペクトされている。とんカツ、カレー、焼き鳥、寿司、うどんなどの和食も大人気で、娘の通う学校の学食でも巻き寿司が売られている。日本のスーパーも大人気。
常にクラスメイトから母国を絶賛される娘は鼻高々だ。私が食卓で日本の批判をしようものなら、「パパはいつも自分の国を悪く言って何がうれしいの?」とたしなめられる。
これからの日本は世界に開いて学んでいかないと生きてはいけない。同時に、日本の素晴らしさも世界にもっと売り込む必要がある。そういう意味でもこれからの日本を担う若い人たちを中心に世界に出て、世界を知り、日本を再発見してほしい。これから健康寿命も延びるので、もちろん中高年の方々にも継続して世界を見てきてほしい。