乾燥体質を改善し、潤いのある髪に

 中医学では「肝蔵血」(肝は血液を貯蔵する)と「腎蔵精」(腎は親から受継いだ生命力などの源の精を貯蔵する)といわれ、「肝」と「腎」の働きが弱っている「肝腎不足(かんじんぶそく)」の状態は、「精血不足(せいけつぶそく)」で髪のトラブルを招きやすい体質です。枝毛が気になる人は肝腎に不調があるサインと考え、体質から積極的に改善しましょう。

【肝腎不足(精血不足)の体質チェック】
次の項目のうち3つ以上、当てはまる症状がある人は肝腎不足と考えて。弱った肝腎を整え、精・血をしっかり養いましょう。

□めまい、貧血、爪が割れやすい
□肌の乾燥やシワができやすい
□脱毛など髪のトラブルが気になる
□ドライアイ、目のかすみ
□疲れやすい、夕方は特に疲れやすい
□月経不順、血の色が薄く量は少ない
□腰やひざが重だるい
□妊娠しにくい
□集中力や記憶力の低下
□足がつりやすい

[おすすめ食材]
肝と腎を補い、血を養う「黒色」「赤色」の食材を意識して。女性は月経で血不足を招きやすいので、積極的に血を養いましょう。

●肝腎を補い、血を養う食材
肉類、クコの実、なつめ、トマト、黒豆、黒ごま、ひじき、ほうれん草、山芋、ナッツ類 オリーブオイル、アボカドなど

●髪の主成分「ケラチン」を多く含む食材
手羽先、牛すじ、豚足、すっぽん、フカヒレなど

髪の主成分「ケラチン」を多く含む食材、手羽先のスープ PhotoAC

[おすすめ生薬]
沙棘(サージ)、五行草、亀板(きばん)、鼈甲(べっこう)、鹿角(ろっかく) 、阿膠(あきょう)、枸杞子(くこし)、当帰など
※亀板=亀の甲羅、鼈甲=すっぽんの甲羅、阿膠=ロバのコラーゲン

[暮らしの養生]
・過労や睡眠不足は腎の負担に。無理をせず、十分な睡眠で疲れを取りましょう。
・目を酷使すると血の消耗につながります。スマホの使い過ぎには気をつけて。

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中医学の潤いヘアケアのポイントとは