松竹は大幅赤字に転落
事件前の猿之助被告と香川の関係を知る人物はこう話す。
「飲み屋では猿之助さんが電話で香川さんを呼び出し、後から香川さんがやって来るという感じ。猿之助さんは飲むと、陽気でよくしゃべり、座を盛り上げる中心的存在。香川さんは猿之助さんには頭が上がらない感じで、いつも猿之助さんに気を使っていたように見えました」
その関係は、今回の事件をへて変化が生まれるのだろうか。長男の團子は猿之助被告が逮捕された際、急きょ、上演中の舞台の代役を務め、拍手喝采を浴びたことも記憶に新しい。
「中車はわが子かわいさで、親子ともども教えてほしいと、猿之助に頼むだろうね。そういう師弟関係になっていくんじゃないかな。猿之助の復帰については、松竹のお偉いさんが罪の重さと復帰とのバランスを考えて判断するのではないか」(山本氏)
松竹は今年6~8月期の連結経常損益が2.6億円の赤字に転落した。歌舞伎に詳しい著述家の米原範彦氏はこう話す。
「東宝には映画の『ゴジラ』などの人気コンテンツがある。東映もアニメがある。それに比べて、松竹の映画は劣勢にみえる。そうなると、頼りは松竹演劇となる。松竹演劇でお客さんが入るのは旧ジャニーズのタレントを使った時が多いように思われますが、それも今の状況ではあやしくなってきた。経営的な事情で歌舞伎の収益を上げなければいけないのはわかりますが、だからといって、猿之助を復帰させようというのは安直だと思います」