10月23日、衆参補選後の岸田首相の汚れた眼鏡。その先にはどういった解散戦略が見えているのか。

 今年2月に出版された、安倍晋三元首相へのインタビューをまとめた『安倍晋三 回顧録』には、「(財務省は)自分たちの意向に従わない政権を平気で倒しに来る」旨が記されている。今回の鈴木財務大臣の発言も、「財務省が岸田首相に見切りをつけた」「倒閣運動をしかけている」という見立ても出ている。

 専門家はどう見るか。政治ジャーナリストの角谷浩一さんは「確かに財務省などが岸田政権に攻勢をかけているようにも見える」という。

 7日には会計検査院から税金の無駄遣いなどを指摘した事業が344件、金額は580億円にも上るとする報告書が政府に提出された。また、8日には日本銀行の植田和男総裁が「(物価)見通しの誤りがあったことは認めざるを得ない」と発言した。いずれも岸田政権にとっては評価を下げるような内容だ。

 角谷さんはこう見る。

「補正の予算案が見えてきてからこういった動きが出てくるのは、確かに財務省などが何かをしかけているようには見えます。ただ、その先のシナリオがまだ見えません。『岸田首相を降ろして、鈴木大臣を首相に』というわけでもないでしょう。鈴木大臣は財務省の理屈を述べただけ、という見方もできます」

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岸田首相によるもう一つのシナリオとは