鴻上尚史さん(撮影/写真部・小山幸佑)
鴻上尚史さん(撮影/写真部・小山幸佑)
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 子どもをもつか、もたないか、「産みたい理由」「産みたくない」理由も考えたが、わからないと逡巡する29歳女性。夫婦で話し合っても結論が出ないと、アドバイスをも求める相談者に、鴻上尚史が語った「僕が40歳代で子供をもった」理由とは?

【相談201】私は現在29歳で同じ年の夫がいますが、子どもを産むかどうか迷っています(29歳 女性 あんこう)

 私は現在29歳で同じ年齢の夫がいます。

 子どもを産んで育てたい気持ちがあるか、正直よく分かりません。夫とも話し合っていますが結論が出ません。

 小さい頃は漠然と、大人になったら結婚して子どもは2人くらいで、というようなイメージをしていたこともありました。

 しかし大人になって現実的に考えてみた時、産んでみて本当に可愛いと思えるのか、十分に子どもを育てられるだけの能力が自分にあるのか、育てるとなった時、夫はどの程度協力してくれるのかなど(話し合っていても実際その状況にならないと分からないこともあると思います)、色々考えてしまい、分からなくなってしまいました。

 やったことがないことをやりたいと思う気持ちって一体何なのか?と思ったりもします。

 今のところ産みたい理由と産みたくない理由は大体下記のような感じだと思います。

〈産みたい理由〉
・生物としての義務感
・親を喜ばせたい(親との関係は良好で向こうは産んでくれといったことは言ってきませんが、孫の顔が見たい気持ちは伝わってきます)
・自分の遺伝子が入った子どもを見てみたいという好奇心
・家族が増えたら楽しそうだなという漠然とした期待
・産めない年齢になったとき急に欲しくなるのが怖い
・無人島に夫婦だけでずっと住めって言われたら産むと思う
・人生に生き甲斐がなくなっても子どもの存在で生きていける、みたいなことがありそう

〈産みたくない理由〉
・産んでみて可愛いと思えないかもしれない
・ちゃんと育てられるのか不安
・自分の時間とお金が取られる
・今まで夫と良好な関係だったのが状況が変わることで何かしら亀裂が入るかも
・夫婦とも実家が遠いので親の援助等あまり期待できない
・地球の人口は増加してるから人間の繁殖という意味では自分が産まなくても良さそう
・少子化の日本で産んでも今後生きていくのが大変そう

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