【タイプ1】寒邪が盛んな 冬冷えタイプ

 暖房不足や薄着などで寒い状態が続くと、「外寒(自然界の寒邪)」が侵入して冷えの要因に。また、冷たい飲食、加齢などで体内の「陽気(身体を温めるエネルギー)」が不足すると、「内寒(体内で生じる寒邪)」が発生して冷えを招くことも。

 こうした寒邪のダメージによる冷えは、身体を温めて邪気を取り除くことで改善できます。適度な暖房、冷えない服装、温かい飲食などを心がけ、身体の内と外からしっかり寒さ対策をしましょう。

<気になる症状>
冷えが強い、温めると冷えが緩和する、顔色が白い、頭痛、関節痛、胃痛、腹痛、月経痛、軟便、下痢、しもやけ、舌苔が白い

<食の養生>
辛味、温性の食材で寒邪を発散させて。
しょうが、ねぎ、よもぎ、シナモン、小茴香(フェンネル)、山椒の実、八角、丁子(クローブ)、 唐辛子、少量の酒など

寒さを発散させる辛味・温性の食材、ねぎ

【タイプ2】高齢者に多い 陽気不足タイプ

 体内の「陽気」は身体を温めるエネルギーです。そのため、加齢、慢性疾患、過労などの要因で陽気が不足していると、身体を温める力が弱く、冷えを感じやすい状態に。

このタイプは手足の強い冷えを感じることが特徴で、お風呂で温めてもすぐに冷える、手足が冷たくて眠れない、といった症状に悩まされることも。冬は寒さで陽気をさらに消耗してしまうので、身体をしっかり温め、栄養を十分取って陽気を養うことを心がけましょう。

<気になる症状>
手足の冷えが強い、温めてもすぐ冷える、むくみ、息切れ、疲労感、かぜを引きやすい、食欲不振、胃痛、腹痛、軟便、下痢、頻尿、しもやけ、舌の色が淡く腫れぼったい

<食の養生>
陽気を養う甘味、温性の食材を。
米、大豆製品、いんげん豆、山芋、じゃがいも、かぼちゃ、きのこ類、牛乳、にら、卵、肉類、白身魚、えび、棗、りんご、くるみ、松の実、ごま、紅茶など

陽気を養う温性の食材、えび

【タイプ3】慢性的な冷え 血不足タイプ

「血」は温かい液体で、全身を流れることで身体を温めています。そのため、栄養の偏りや過労、睡眠不足などの要因で体内の血が不足して「血虚(けっきょ)」の状態になると、身体を温める力が足りず冷えを招きがちに。

 このタイプは、季節を問わず慢性的に冷えやすいことが特徴です。特に、女性は月経や出産などで血不足を招きやすいので気をつけて。血を生む「脾胃(胃腸)」の働きを整え、バランスよく栄養を取って血をしっかり養いましょう。

<気になる症状>
慢性的な冷え、めまい、立ちくらみ、顔色が白い、動悸、不安、不眠、落ち込みやすい、乾燥肌、ドライアイ、抜け毛、爪が薄い、月経不順、月経量が少ない、舌の色が淡い

<食の養生>
温性、甘味の食材で血を養いましょう。
棗(なつめ)、枸杞(くこ)の実、桑の実(マルベリー)、竜眼肉(ムクロジ科リュウガンの果肉)、ぶどう、プルーン、レバー、鶏肉、卵、黒砂糖、落花生、にんじん、ほうれん草、 小松菜、黒ごま、赤ワインなど

血を養う温性の食材、鶏肉
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