冷えは「万病のもと」。早めに対処しましょう (c)GettyImages

 手足が冷たい、身体が冷える……。冬本番を迎えて寒さが増し、そんな「冷え」の症状を感じている人も多いと思います。冷えは、放っておくとさまざまな不調につながる“万病のもと”。そこで本記事では、日本の漢方のルーツである中国の伝統医学「中医学」をもとに、【冬の冷え対策】を4つのタイプ別に分かりやすく説明します。冬だからと諦めず、中医学の“温活”で寒さに負けないぽかぽか体質をめざしましょう。

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冬の冷え体質は「寒邪」に注意

 寒くなると、手足がある程度冷えるのは自然なこと。一方、お風呂などで温めてもすぐ冷たくなる、慢性的に冷えを感じる、手足が冷たくて眠れない、といった状態が続く場合は「冷え症」と捉えます。

 中医学では、冬の冷えは主に「寒邪(かんじゃ)」(身体に悪影響を及ぼす寒さの邪気)の影響で起こると考えます。寒邪には「外寒」と「内寒」があり、外寒は自然界(冬の気候やクーラーなど)から侵入するもの。内寒は体内で発生する寒邪で、冷たい飲食や加齢、慢性疾患などが要因となります。また、身体を温める「陽気」や「血(けつ)」の不足、「お血(おけつ)」(血行不良)などの体質も、冷えを招く要因となります。

 冷え症は、病気になる一歩手前のサインである「未病」の状態。不眠や頭痛、胃腸不調、関節痛といったさまざまな不調を招くだけでなく、免疫力の低下にもつながるまさに“万病のもと”といえます。これからの時期、かぜやインフルエンザなどの感染症を予防するためにも、積極的なケアで冷え体質を改善していきましょう。

冬の邪気「寒邪(かんじゃ)」の特徴

●体内の陽気を消耗する
身体が冷えて、悪寒、腹痛、下痢、胃腸不調、むくみなどの不調が現れます。

●“固めて滞らせる”性質
血行不良を招き、痛みの症状(頭痛、生理痛、関節痛など)が起こりやすくなります。

●“収縮させる”性質
関節や筋肉の収縮(足のつりや関節のこわばり)、血管収縮などが起こりやすくなります。

身体の中から“温活” タイプ別「冷え症」対策

“寒い季節は仕方がない”と思われがちですが、「冷え症」は体質を整えることで緩和できるので諦めないで。この冬は積極的な“温活”を心がけ、冷えない身体づくりをめざしましょう。

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手足の冷えが強く、温めてもすぐ冷えるタイプの対処法