2023年11月6日号より

 今も「死にたい」という気持ちを抱えたままだ。その思いは体にこびりついていて、いつ引っ張られてもおかしくない。そんな状況が続きながら生きている感じ。例えば、駅のホームで電車を待っていて、飛び降りたら死ぬだろうと思ったりするという。

「死にたいと思いながら生きるのって、めっちゃつらいです」

 ただ、それが当たり前の状態だから「死にたいと思っているのはおかしい」と言われると、「逆につらい」と話す。

 将来を描くことができますか──。そう問うと、こう言った。

「いつ死んでもいいと思いながら今を必死に生きているので、答えられないです」

(編集部・野村昌二)

AERA 2023年11月6日号より抜粋

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