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 重い荷物を持ち上げた時に腰を痛めてしまう人は多い。しかし、ちょっとしたコツで腰への負担が軽くなり、重い荷物をラクに持ち上げられるそうだ。多くの現役アスリートも通うトレーニングジム『IPF』代表のカリスマ最強トレーナー・清水忍さん監修『運動習慣ゼロの人のための疲れない動けるからだをつくるテク』(朝日新聞出版)から、腰に負担がかかるNGな荷物の持ち上げ方と、ラクに持ち上げられるOKな持ち上げ方を紹介する。

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立ったまま重い荷物を持ち上げるのは腰への負担大でNG

(イラスト/ひらのんさ)

 前傾姿勢で持ち上げると腰と背中に大きな負担がかかります。床にあるものを持ち上げようとするとき、立ったままで荷物に手を伸ばしがちかもしれません。前傾姿勢になるこの方法は、荷物の荷重が体の重心から最も遠い位置でかかります。

 例えば、釣りざおで重い魚を引き上げると、下手をすれば折れてしまうでしょう。これと同様に最大の重みと負担が、背中と腰に集中してしまうのです。ぎっくり腰を招く危険な方法なので、絶対にやめましょう。

重い荷物の近くにしゃがんで持ち上げながら立ち上がるとOK

(イラスト/ひらのんさ)

 体に負担をかけないためには、まず荷物のそばにしゃがんで、ひざの間に荷物を入れるようにしながら、自分の重心と荷物の位置を近い状態にして、しっかりと抱えます。

 そこからお腹に力を入れ、立ち上がる力を使って荷物を持ち上げます。この方法なら、荷重を腰や背中に集中させず、いろいろな関節に分散させるため、最も少ない負担で持ち上げることができるのです。

奥のものに手を伸ばしてそのまま取り出すのは腰に負担大でNG

(イラスト/ひらのんさ)

 中途半端にかがんで手を伸ばすと腰に負担がかかります。例えば冷蔵庫の奥にあるものを取り出すとき、かがんだ状態で手を伸ばしてそのまま取り出すと、体は疲れます。

 軽いものであればそのときには負担を感じにくいかもしれませんが、その分、無意識に行いがちで、これを何度も繰り返すうちに、腰への負担が蓄積していくのです。

 体に負担をかけないためには、かがんだ状態で何かを行うことはできるだけ減らしていきましょう。

片手を壁につき奥のものを手前に引き寄せてから取り出すのがOK

(イラスト/ひらのんさ)

 支点をつくり、ものを近づけることがポイント。奥にあるものを取り出すときは、まず近くの壁などに片手をついて、そこを支点にします。支点に力を入れながら、反対の手を奥のものに伸ばしてズルズルと手前に引き寄せ、それからつかんで取り出すようにしましょう。

 軽いものでも油断は禁物。体に疲れを蓄積させないためには、重さにかかわらず、ものをできるだけ自分に引き寄せてから持つようにすることが大切なのです。

高い棚の荷物を手を伸ばして取るのはバランスを崩しやすくNG

(イラスト/ひらのんさ)

 バランスを崩して背中と腰が疲れやすくなります。高い棚にある荷物を下ろそうとするとき、無理をして遠くから手を伸ばすことがよくあります。でも、これは疲れる方法。無意識にバランスをとろうとするため、背中や腰の筋肉が緊張しやすく、疲れの原因となるのです。

 さらにバランスをとりきれずにものを落としたり、転んだりするなど、アクシデントの原因にもなります。日常動作も一つひとつ、指先まで意識が行き届いた状態で行いましょう。

高い棚の荷物に近づき体に沿わせて下ろすと負担が軽くOK

(イラスト/ひらのんさ)

 高い棚から荷物を下ろすときは、棚の真下まで行って荷物をしっかりと持ち、ひじを曲げた状態に。そこから、荷物を体に沿わせるようにしながら下ろしていきましょう。どんなときでも、できるだけ体の重心に近い位置で荷物を持つことが肝心です。

 荷物の重さが体の一部に集中することがないので、最も軽い負担で荷物を取り扱うことができるようになります。

(構成 生活・文化編集部 森 香織)