さらに岸氏は、還元策のバランスの悪さについても言及する。所得税などの減税は1人あたり4万円で、例えば4人家族であれば16万円の減税となる。他方で非課税世帯では4人家族だとしても7万円の給付しかない。
「非課税世帯は母子家庭など生活が苦しい状況があります。本当に困っている人に手厚く給付するべきですが、そうはなっていません。また、定額減税については富裕層を対象から外し、その分、低所得の方々を支援するべきでしょう。所信表明演説を聞いても物価上昇に苦しむ国民への想いや愛を感じる言葉や表現を見つけられませんが、政策を見てもそうした想いや愛を感じられません。これは致命的な問題だと思います」
国民に「愛」を示せない首相には、支持率はついてこないようだ。
(AERA dot.編集部・吉崎洋夫)