根強いドル高・円安の動きや、国内各行の金利引き上げ競争を背景に、ドル建て預金の関心が高まっている。これから利用する場合のお得度や注意点について、専門家に聞いた。
外国為替市場は10月26日に一時1ドル=150円台後半をつけ、3日につけた年初来安値を更新した。ドル高・円安の勢いは続き、翌27日も150円台で取引されている。
背景にあるのは、主に日米の金利差だ。
10月30~31日の日本銀行の金融政策決定会合や同31~11月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)といったイベントを控えて様子見の姿勢が強まり、また政府・日銀の為替介入への警戒感もあって、同150円台を抜けて一気にドル高・円安が進む展開にはならなかったものの、依然としてドル高・円安圧力は強い状況が続いているという。
外為どっとコム総研取締役で調査部長の神田卓也さんは言う。
「米長期金利は23日に16年ぶりに5%台をつけました。日本の金利も上がっているとはいえ、なお0.8%前後。米国は金利を高く、長く引き締める姿勢を緩めておらず、かりに30~31日の会合で日銀が政策修正に踏み切ったとしても、方向感には大きな変わりはなさそうです。今のドル高・円安の流れはもうしばらく続くでしょう」
ドル高・円安の動きを受けて高まっているのがドル建て預金への関心だ。
特に足元では、相場の動きに加え、SBI新生銀行やソニー銀行、大和ネクスト銀行など各社が競い合うようにしてドル建て定期預金の金利を高い水準に設定。利用客の目を引くようになっている。