米国は長く引き締める姿勢を緩めていない。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長。

 9月にはメガバンクの三井住友銀行も、こうした動きに加わった。三井住友銀行はドル建ての個人の定期預金の金利を、3カ月物でこれまでの0.01%から3.7%へ、6カ月物と1年物で同0.01%から5.3%へと一気に引き上げた。

 SBI新生銀も後を追うように、6カ月物と1年物のドル建て定期預金の金利を6%に設定。大和ネクスト銀やソニー銀も、6カ月物や1年物で5%を上回る水準に設定している。

 中でもソニー銀行は11月末まで、日本円から預け入れれば6カ月物の金利を9%にするキャンペーンを実施中だ。

 日本円での定期預金は高いところでも1%に届かない。メガバンクは軒並み0.002%といった低い水準だ。低金利が長く続くなか、物価は値上がりし、外貨預金の高金利は魅力に映る。

 日銀の資料によると、国内銀の個人の外貨預金の残高は昨年末から今年初にかけて減ったものの、口座数の伸びは続いている。

 しかし、外貨預金には円預金と違ったリスクがあることに注意が必要だ。為替レートが変動すれば損失や利益が発生する。外貨に替えたり日本円に戻したりする際には手数料もかかる。

 ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんは、金利ばかりに目を奪われてはいけないと指摘する。

「金利が高くても、相場の動きしだいでは金利で得られる収益が吹き飛んでしまう場合もあります。金利で得られる利益と、為替リスクを比べて、相場がどのくらいの水準まで利益が得られるか、損益のラインを把握しておく必要があるでしょう」

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で元本割れとならない為替レートの水準