松下:(笑)。あのドラマで僕は殺されてしまう役柄で、役のことを考えている時間が長くて……。普段は、どんな役でも空き時間になればヘラヘラしているタイプなんですが、あの作品は結構いっぱいいっぱいで。さらに、豊本さんが演じられた役とは複雑な関係性でもあったので、プライベートなお話ができる雰囲気でもなくて……。
豊本:そうですね、キャッキャする雰囲気ではなかったですね。主演の松本まりかさんに松下さんがボコボコにされているシーンや、火事の部屋の中でのシーンもあったし。
角田:それは思ったより重いね。
豊本:すごく真剣な現場だったから、確かにそういう話はないのかもしれないけど……。
飯塚:にしてもねぇ(笑)。
豊本:そう、顔合わせとか、本読みの時とかチャンスはあったね(笑)。
松下:そうですね(笑)。撮影が終わる頃には豊本さんとお話ができたらいいな、と思っていたんですが、最終日もめちゃくちゃ大変だったじゃないですか。火が燃える中でのシーンで、僕は血だらけで、脇腹のあたりにはナイフが刺さってて。
角田:血だらけ!(笑)
飯塚:それは言いづらいかもしれないですね(笑)。じゃあ仕方ないよ。
豊本:そうだね(笑)。
松下:03さんを見て、いいな、と思うのは、飯塚さんと豊本さんが角田さんのことを「角ちゃん」と呼ぶことです。僕の勝手なイメージですけど、芸人さんはコンビやトリオを組んだ当初は友達のような感覚だったとしても、その後は、つかず離れずの距離感でいた方が良いのか、呼び名ひとつとっても、距離が近くならないようにする方々が多いように感じる中、お三方はとても仲がいいですよね。
飯塚:なあなあでやってますからね(笑)。
角田・豊本:あはははは(笑)。
飯塚:特に角ちゃんとは、東京03を結成する前から飲み仲間だったから、その感覚が抜けないんだよね。僕は角ちゃんを相方だと思ったこと一回もないから。
角田:それはそれでなんだよな(笑)。でも、僕も飯塚さんは、同い年の友達という感覚なんですよ。芸人の先輩として出会ったから今も「飯塚さん」と呼んでますけど、恋愛相談も聞いてたしね。飯塚さんは常に好きな人がいるタイプでね。
飯塚:(笑)。うまいこと話してね。もう結婚してるから(笑)。
角田:「恋多き」というと誤解があるかもしれないけど、1人の人をすごい好きになるの。その数が多いんですよ。
豊本:あははは(笑)。
角田:ネタ作りのために集まったら、飯塚さんが「昨夜のメールに返信がない。もう一回送ってもいいかな」と悩んでるから、僕が「大丈夫だよ、送りなよ」と背中を押すんです。無事に送信して、すっきりしたからネタ作りできるかなと思ったら、今度は携帯をチラチラ見て、返信待ちをしている(笑)。結局全然、ネタ作りにならないことがよくあったよね。
飯塚:結果、その話は「返信メール」というコントにしました。これで作っちゃお、みたいな(笑)。ほんと、僕らは普通の友達ですよ。コント友達(笑)。
松下:いいですねぇ!
飯塚:もしくは、コントサークルだな(笑)。
角田・豊本:そうだね(笑)。
(編集部・古田真梨子)
※AERA 2023年10月30日号