梅雨の季節がやってきました。いやでも雨傘を持ち歩く日が増えますね。
また、雨が降っていない日でも注意が必要な紫外線は3~4月から少しずつ増え始め、なんと6~7月にピークを迎えます。真夏のギラギラした太陽が紫外線のピークかと思いきや、そうではないんですね。
雨天でも晴天でも、傘が欠かせなくなるこれからの季節に備え、何気なく使っている雨傘、日傘の特徴をしっかり押さえておけば、天気が悪くて憂うつな気持ちも少しは抑えられかも!
そこで、この時季ならではの傘の“あれこれ”、ひもといてみました。

女性向けのふんわりシルエットの深張り傘で、雨の日もオシャレに
女性向けのふんわりシルエットの深張り傘で、雨の日もオシャレに
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女性らしい「深張り」、男性らしい「浅張り」

雨傘とひと口に言ってもいろいろな種類があるんです。
よく目にするビニール傘など一般的な雨傘は「標準張り」と呼ばれるもの。世に出まわっている大半の傘が標準張りです。まわりの人と差をつけたい!という方には「深張り」、または「浅張り」の傘がオススメです。
「深張り」とは、肩まですっぽり覆ってくれる湾曲した骨組みが特徴の傘。
直径は狭いものの、肩まで隠れるので、雨に濡れにくく、太陽の光もシャットアウトしてくれます。
そのふんわりとした、やわらかなシルエットは女性らしさを感じさせるデザインです。一方の「浅張り」は、開いた時の直径が大きいのが特徴。こちらは男性好みのシルエットと言えそうですね。

便利な晴雨兼用日傘

不安定な天気が続く梅雨時は、雨だけではなく、紫外線も防がなければならない困った時季です。
そんな季節に便利なのが「晴雨兼用傘」です。この傘はふつうの雨傘と比べると防水効果は低いので、あくまで一時的に雨をしのぐ程度。ただし、かばんの中に常備しておけば、急な降雨にもひと役買ってくれることうけあい!
一方、純粋な日傘は防水加工がされていないため、雨天時には使わないようにしましょう。
さらに、日傘はその名の通り、陽射しを避けるのが第一の目的なので、雨傘に比べてサイズも小さくなります。
また、日傘を選ぶときは素材選びも大事。紫外線を防ぐのにはポリエステル製の傘が最も適していますが、その代わり熱を吸収しやすく、傘の内側に熱気がこもるという特徴も……。紫外線だけでなく直射日光がもたらす熱気をシャットダウンしたいなら、麻や綿などの天然素材の傘が効果的です。

奇抜なデザイン、“進化系”傘とは……

人と同じなんていや!という個性派の方には、こんな傘もあります。
●逆さまに開く傘/「アンブレラ」(アッシュコンセプト社/リンク先参照)
なんと、逆さまに開く傘が登場! 見た目のインパクトは群を抜いていますが、「逆転の発想」とはまさにこのこと。この傘の特徴は、閉じたときに濡れた面が内側になるので、電車やお店の中でも周りの人の迷惑にならない優しさがメリットです。
●前後非対称の傘/「アンブレラオリジナル」(センズ社)
オランダ生まれの不思議な形の傘は、前が短く、後ろが長いという前後非対称な形が特徴的。
この特殊な形状のおかげで、時速100kmの強風にも傘の骨組みが裏返らないというから驚き! 強風時も安心して使えますね。
・夜道も安心のLED傘/「レインボークラッシュLED傘」(センチュリー社)
これぞ、最先端技術が搭載された最新の傘! この傘の最大の特徴は、傘の軸の部分にLEDが内蔵されていて、傘そのものが光る仕組みにあります。
暗い夜道でこの傘をさしていれば、足下が見えるため雨天時のぬかるんだ道路も安心して歩けますし、夜間時に狭い道路で黒い傘をさしている人は車から認識されにくく危険なのですが、この傘ならドライバーからも一目瞭然。安全性で群を抜いた傘といえますね。

552年に日本に伝来した傘の歴史

和傘の歴史は古く、ウィキペディアによると、
「日本には欽明天皇の時代552年に、百済聖王(聖明王)の使者から渡来した外来品で、当初は主に日射を避ける日傘として用いていた」とあります。
長い歴史の中で基本的な形状を変えずに今日にいたった「傘」は、もともと、あごひもを縛って頭部を覆う「笠」であったよう。その後、雨天時や直射日光の下でも快適に過ごせるように……という先人の知恵が傘の細部に活かされ、頭上を防御する「笠」に始まり、「唐傘」「番傘」「蛇の目傘」「端折傘(つまおれがさ)」といった情緒ある様々な和傘が誕生。
加えて、西洋の伝統工法と材質で作られた「こうもり傘」が日本に伝来したことで、さらに多種多彩なバリエーションが生み出され、徐々に降水時に使用する「雨傘」が傘の主流となっていきます。さらに最近では、日傘を携行する男性が増えるなど、傘の需要は少しずつながら変化を遂げているよう。
日ごろから私たちは何気なく傘を使っていますが、歴史をひもとくと多くの先人の知恵が「傘」に結集していることがわかります。
安価でお手軽なビニール傘も重宝しますが、憂うつな梅雨空が続くこの時季こそ、自分好みの色柄、素材、形状の傘を選んで、心晴れやかに過ごしたいものですね。

形状も色合いも美しい「和傘」
形状も色合いも美しい「和傘」