藤井聡太八冠が将棋の歴史を塗り替えた。各界の愛好家はいま、何を思っているのか。高校時代に将棋部に所属していた、お笑い芸人の鈴木もぐらさんに聞いた。AERA 2023年10月23日号より。
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たしか小学3年生のころ。たまたま新聞で見た「竜王」の文字。「なんだこれ、“竜王”ってなれるものなのか!? 他にも『王将』『棋聖』……かっこいい称号がいろいろある!」。それが僕と将棋との出合いでした。
そこから面白さにとりつかれ、高校では将棋部に入部。最高でアマチュア三段までいきました。僕は振り飛車党。芸人になってからも荻窪の将棋サロンに通っていましたが、タバコが吸えなくなってから行かなくなりました(笑)。
将棋って、色々な役割の駒があるけれど、王様を取られたら負けという、ものすごくわかりやすいところが大きな魅力。もうひとつは年齢関係なく対等に戦えるところ。今はインターネットでいろんな人と戦えるのも楽しいですね。
将棋がずっと大好きで指し続けてきたから、将棋界ってものすごい天才の集団なんだということを実感します。そのなかでタイトルを取るというすごさ。