読むインプットに効果的な手書きメモ

 それでは、どうやってメモやノートを取るのが効果的なのか?

 例えば、「手書きvsタイピング」というテーマの研究が、最近の心理学や教育学で盛り上がりを見せていました。

 ノートに手書きでメモするのと、タイピングしてパソコンやスマホにメモするのと、どちらがインプットにはより効果的なのか。

 手を使う手書きの方が、脳がエンゲージされるような気もする。一方で、手書きまでしてしまうとワーキングメモリーに負担がかかって、インプットの質が下がってしまうのではないか? それに比べて、タイピングは手軽に高速でメモを取れる。

 確かに悩ましく、日常の行為でもあるので興味深くはありますが、熱い科学的議論の積み重ねがそこにあるとはちょっと意外に思われるかもしれません。

 出てきた答えは、「ケースバイケース」。どういうインプットをしているかによって、手書きかタイピングのどちらが良いかが、分かれてくることがわかりました。

 まず、「読むインプット」の時は手書きが効果的だと言われています。読んでいる時には、自分で読む速度を変えられる。読みながら、同時にメモを取る人はあまりいませんよね。

 そこで、読むことをいったん止めて、それからメモを書くわけですが、この時に読んだ内容を脳で咀嚼することができるわけです。

 ですから、読んでいる時は、手書きで書くことが効果的です。

 本を読む時にも、線を引くだけでなく、まとめや自分の考えを書く。そうやって脳を使うことで、効果的なインプットができます。

 今は、スマホに直接手書きできるアプリがあったりもしますので、やりやすければ、これを使ってもいいでしょう。

次のページ
聞くインプットに効果的なタイピング